オープンバンキングは欧州だけの取り組みではありません。PSD2(銀行が顧客情報を第三者企業へ渡すことを義務付けるEU決済サービス指令=Payment Services Directive 2)の対象となる機関にとってオープンバンキング・サービスの提供が急務であることは明白ですが、欧州指令の範囲外にいるプレーヤーとて、PSD2の目的となっている「より有益で魅力的な消費者体験を促す」という潮流を戦略的に取り入れるべきです。
消費者の要求はより一層高度化しています。つまり、たとえ法的義務がなくとも、現状よりも有益なサービス、強固な顧客認証(SCA)およびAPIへのオープンなアクセスを提供することが、近い将来には当たり前のことになります。
この流れに対応すべく、中東から北米に至る地域の多くの銀行様が既にオープンバンキングとデジタルトランスフォーメーションの導入を開始しました。しかし、このような転換は技術面で非常に複雑であり、戦略上の課題を伴います。賢明な策を講じて競争力を維持することが銀行様には求められますが、どうずれば、成功に向けた最善の準備を行うことができるのでしょうか?
規制の圧力に直面しているのであれば、コンサルティングを受けることによって、これらの法律上の制約やコンプライアンスの障壁を理解できるようになり、多額の内部出資を回避できるかもしれません。そうすることで新規のAPIから利益を生み出す最善の策を授かるだけでなく、短期間で初期投資費用から収益を生み出すことができます。
フランスにおける例のひとつに、 STETのオープンバンキングAPI基準の定義があります。FIMEからの支援で開発されたプロトコルによって、銀行様およびアプリケーション開発者様における規制へのコンプライアンス、セキュリティおよび一貫した相互運用性が、極めて安価で効率的に確保されます。
FIMEは20年以上にわたってペイメント業界の標準化に積極的に取り組んでおり、現在、銀行様やペイメント関係者様が各国のさまざまな構想を効果的に評価する上で役立っています。
フィンテック革命および消費者需要の高まりによって、まさにデジタルトランスフォーメーションの時代が到来しています。銀行様に求められていることは、ブランチレスバンキングからモバイルプラットフォーム間の統合に至るまで、より柔軟性のあるビジネスモデルを構築して競争力を維持することです。
しかしながら、新たな決済プラットフォームやフォームファクターを評価する際には、 銀行様にとっては、協力よりも競争に投資すべきか、もしくはニュープレイヤーを買収すべきかの決定が重要になります。
より強固な顧客のマルチ認証に対する需要が高まっているなかで、イシュアー様は、生体認証、リスクベース認証およびEMV® 3Dセキュアといった新たな技術やプロトコルを再検討することが重要です。優先順位をつけることで、柔軟に対応でき、競争力を維持することができます。
変革を実行しましょう
信頼関係の構築や効率化および機敏性は、変化の激しい現在の市場で生き残るためには重要な要素ではありますが、変化に素早く対応することによって先行者としての利益を享受できる一方、技術面および戦略面における複雑性は高まります。デジタルトランスフォーメーションもその例外ではありません。